上野動物園にもいた!「恐怖の世界三大珍獣」とは??

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上野動物園にもいた!「恐怖の世界三大珍獣」とは??

「世界三大珍獣」をご存知ですか?

世界三大珍獣と言うくらいなので、とても珍しい動物のことを言います。

答えは・・

ジャイアントパンダ」・「コビトカバ」・「オカピ」です。

これらの動物は単に生息数が少ないという意味で世界三大珍獣と呼ばれているワケではなく、生態がユニークであったり、独自の進化を遂げてきたことに起因して特徴的な外見を持っています。

但し、何故これらの3種類の動物が「世界三大珍獣」と呼称されるのの理由は未だ判明していないようです。

上野動物園は日本で唯一、この3種類の珍獣をすべて見られる場所です。

以下では上野動物園の三大珍獣を紹介しています。




プぃゃんダぅわ(訳:ジャイアントパンダ)

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分類

  • 食肉目(ネコ目)クマ科ジャイアントパンダ属

ジャイアントパンダが三大珍獣と言われる理由・特徴

パンダはまず、竹と言う植物のみを食べて生きて行けると言うことが列挙されます。

竹はけっして栄養価が高いと言えず、大きな体を支えるために大人は1日に20kg前後の竹が必要で、起きている時間の大部分を食事に充てます。
また、エネルギーを無駄に消費しないように、たくさん寝ます。

パンダが竹を食べる理由は当サイトの以下の別ページでご紹介しております。

耳・目の周り・前後の脚、・背中(肩)が黒く、他は白(クリーム色)。
15cm前後の小さな尾があります。
生まれたばかりの赤ちゃんに体毛はなく、ピンク色の地肌がむき出しの状態ですが、徐々に毛が生え、生後 1 か月ほどで大人と同じ色になります。
白黒になった理由には諸説ありますが、雪山では保護色になるとか、竹林では案外目立ちにくいとかと言われています。
尾の大きさは生まれた時からほとんど変わりません。
またクマ科の他の動物と違う点として、前足には5本の指に加えて骨が突き出た部分が2か所あり「第六の指」「第七の指」などと呼ばれ、竹を掴むために進化したものであると言われています。

ジャイアントパンダは、毛皮などを目当てにした乱獲、生息地の竹林の伐採などが原因で生息数が激減した上、繁殖力が弱いことや育児が苦手であること、食料のほとんどを竹に依存することなどから保護をして数を増やすのも難しく、絶滅が危惧される動物の1つです。
母親が一度に出産するのは1頭か2頭ですが、上記のように育児が下手で2頭産んでも大抵1頭しか世話をせず、もう片方は死なせてしまいます。

「パンダ」の名前の由来

「パンダ」の語源は、ネパール語で「竹を食べるもの」という意味の「ネガリャポンヤ」の「ポンヤ」の部分だと言われています。
ジャイアントパンダは標高の高い山の竹林に住んでいるため、学術的な発見は1869年と研究の歴史は比較的浅い野生動物です。
それ以前にレッサーパンダが「パンダ」として知られていたため「大きい方のパンダ」ということで「ジャイアントパンダ」と名付けられました。
一方の「レッサー」は、英語で「小型の」という意味です。
アライグマ科に分類されることもありましたが、長年の研究により、近年ではクマ科の動物とする見方が主流となっています。

ジャイアントパンダの生息地域

中国の四川(しせん)省や陝西(せんせい)省、甘粛(かんしゅく)省の標高1300~3500mの場所にある竹林。

ジャイアントパンダの大きさ

全長:1.2~1.5m
肩高:0.7~0.8m
前後:体重 85~150kg
オスはメスに比べて大きくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんの体重は100~200gほどしかありません。

ジャイアントパンダの生態

標高の高い場所にある竹林で基本的には単独行動をします。
縄張りを持ち、マーキングする性質もあります。
3月から5月の発情期にはマーキングによる臭いを頼りにオスとメスが出会いますが、カップルとなっても発情期が終われば単独行動に戻るため、動物園でもオスとメスは通常別々に飼育されます。
子どもは2歳くらいになると独り立ちし、自分の縄張りを持ちます。
クマ科の動物の雑食の習性や胃腸の特徴が残っているので、果物や小動物を食べることもまれにありますが、ほとんどは竹やタケノコを食べています。
したがってジャイアントパンダの胃は、硬い竹を食べても傷つかないように、丈夫な構造に進化しています。
とはいえクマ科の消化器官の名残を留める胃腸では、竹を食べても20%しか消化されずに残りはそのまま排出するので、フンには原型をとどめた竹の葉や茎が交ざり、竹の香りもします。
内股気味の前脚や丸みのある柔らかい体を活かして木登りをすることもありますが、降りるのは苦手で、降りようとして落ちることもあります。動物園では見られませんが、泳ぐこともできます。
クマ科の動物の多くは冬眠をしますが、冬場でも食べ物に困らないジャイアントパンダは冬眠をしません。

ジャイアントパンダの寿命

寿命は15~20年ほどで、飼育下では30年を超えた例もあります。
現在は中国に保護区を整備するなどの政策により野生のジャイアントパンダの生息数は2014年までの10年間で17%増え、現在は1800頭以上が確認されています。
また、世界各地の動物園で繁殖に成功しており、飼育数は合計で40頭以上となっています。

上野動物園のジャイアントパンダ

2008年にリンリンが死んでから、上野動物園の名物でもあったジャイアントパンダはしばらく不在のままでしたが、2011年にはオスのリーリー(力力)と、メスのシンシン(真
真)がやってきました。
どちらも 2005年生まれです。
リーリーは優しく慎重な性格で、140kg を超える大きな体をしています。
正面から見ると、頭頂部がややとがった形をしています。
シンシンは自由奔放な性格で、体重は 130kg ほどです。
リーリーに比べると頭も耳も丸く、鼻が低いのが特徴です。
シンシンは 2012 年に初めての出産を体験しましたが、赤ちゃんは生後 1 週間で肺炎により死亡してしまいました。
2頭は、開園時間の多くを屋外放飼場で過ごしていますが、大雨の時や特に暑い時には屋内に移動します。
通常は別々の場所で飼育されており、発情期には 2 頭を同居させます。
食事はおおよそ2時間おきで、その合間にはお昼寝をしたり、散歩をしたりしています。




コぴトかぇパっ!(訳:コビトカバ)

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分類

  • ウシ目カバ科コビトカバ属

現在地球上に生息しているカバ科の動物は「カバ」と「コビトカバ」のみです。

コビトカバの三大珍獣と言われる理由・特徴

カバの祖先は陸上で生活し、徐々に平原の水辺や水中の生活に適応するように進化を遂げたと考えられていますが、カバに比べて水中生活に十分には適応していないコビトカバは、より原始的なカバの特徴を残していると言われています。
焼畑や紛争による生息地の破壊や肉、歯を目当てとした乱獲で、生息数は激減していると言われています。
また、コビトカバは「夜行性」と言うこともあり、昼間は寝ていることも多いのですが、安心してください。
元気に歩き回ったり、プールで泳いだりする姿ももちろん見られます。
水しぶきが飛ぶこともあるので気を付けましょう。
隣の展示場にいるカバと見比べてみるのも面白いですよ。

「カバ」と比較した外見上の特徴

体が小さい、頭部が小さく丸みがある、目が飛び出ていない。

コビトカバの生態

野生のコビトカバは密林の水辺に住んでいるので、その生態についてはわかっていない部分も多いものの、動物園などにおける繁殖は安定して行われており、飼育下での研究は進んでいます。
夜行性で、単独、ペア、もしくは幼い子を含む家族で生活します。
昼間は湿った巣穴で休み、夜になると、木の葉、草、草の根、果物などを探して歩き回ります。
カバに比べて陸上で生活する時間が多いものの、水にもぐったり泳いだりするのも得意です。
縄張りを持っていて、フンをまき散らすようにしてマーキングをする習性があります。
動物園でも時々するので、彼らがお尻をこちらに向けて怪しい動きを始めたら、その場を離れるのが正解です。
メスが出産する赤ちゃんは通常1頭で、生まれて間もなく泳げるようになります。
小さいうちは水中で生活し、母親がエサを探して出歩く間は留守番しています。
その後乳離れし、独り立ちするのは生後6か月から8か月頃です。

コビトカバの寿命

飼育下での寿命は30年~55年ほどだと言われています。

コビトカバの大きさ

全長 1.5~1.8m、肩高 0.8~1.0m、体重 180~280kg。
「カバ」の全長は 4m 前後、体重は2~3tです。
それに比べて小さなコビトカバは「ミニカバ」とも呼ばれます。

コビトカバの生息地域

  • ギニア・リベリアなど西アフリカの森林 

マダガスカル・ナイジェリアでは絶滅 コビトカバはリベリアで発見されたことから「リベリアカバ」とも呼ばれます。

上野動物園のコビトカバ

西園の「アフリカの動物」のエリアにカバを挟んで2か所のコビトカバ展示場があります。
上野動物園で出会えるコビトカバの姉妹は「ショウヘイ」と「エボニー」の子供たちで、春生まれの「サクラ」秋生まれの「モミジ」など、季節の植物にちなんだ名前が付けられています。
アメリカから来たエボニーは上野動物園に所属していますが、ショウヘイは名古屋市の東山動物園から借りてきています。
上野動物園と東山動物園で、動物を貸し借りしてカップルをつくり、繁殖させることを目的とした「ブリーディングローン」という契約を結んでいます。
2006年生まれの「コウメ」や2009年生まれの「コユリ」は、ショウヘイのお父さん、つまり彼女たち姉妹のお祖父さんも暮らす東山動物園に引越し、元気に生活しています。




オきゃピぅぃー(訳:オカピ)

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分類

  • 偶蹄目キリン科オカピ属

オカピの名前の由来

「オきゃピぅぃー(オカピ)」とは現地の言葉で「森の馬」という意味で、1900 年に正式に確認され調査が始まった当初はシマウマの仲間だと思われていましたが、後にキリンの仲間だということがわかりました。

オカピの三大珍獣と言われる理由・特徴

赤茶色の胴体と脚の縞模様、長い舌、2 本の短い角はオスのみにあります。
その他、脚の縞模様の美しさから「森の貴婦人」とも呼ばれています。
この模様が、森林でカモフラージュの役割を果たしていると言われています。
出産に関しては母親が1回の出産で産むのは1頭のみです。
赤ちゃんは他の多くの草食獣と同じく、生まれて間もなく歩けるようになります。
母親は巣穴で子育てをしますが、オスは巣を持ちません。
母乳は栄養価が高く、1日1回程度の授乳で足りてしまうといいます。
体はオスよりもメスの方がやや大きくなります。
長い舌やオスに見られる2本の角はキリンの仲間であることをよく表しています。
例えば、2つに分かれた蹄(ひづめ)はキリンなど偶蹄目(ぐうていもく)の動物の特徴であり、奇蹄目のシマウマの蹄は1つです。
キリンは草原での生活に合わせて進化を遂げた動物で、敵から身を守るために体が大きくなり、群れで行動するようになりました。
一方、森林で生活するオカピは体が小さく単独で行動しキリンの進化前の姿に近いとも言われています。
このためオカピは「生きた化石」とも言われています。
現在地球上に生息しているキリンの仲間は「キリンとオカビだけ」です。

オカピの生息地域

  • コンゴ民主共和国の森林 (ウガンダでは絶滅)

コンゴ民主共和国のオカピ野生生物保護区は、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。
オカピはコンゴ共和国の法律で保護されていることもあり、激減こそしていないものの数は減少傾向であるとされています。

オカピの大きさ

全長 1.9m~2.5m  肩高 1.5~2.0m  体重 200~250kg

オカピの生態

森林に生息している上に警戒心が強いため観察しづらいオカピの生態は、実はまだあまりわかっておらず、野生の生息数も詳しくはわかっていません。
したがって、コビトカバと同じく、飼育して研究できたことが現在わかっていることのほとんどすべてです。
森林を歩き回り、木の新芽や葉、草、キノコや果物などを食べます。
オカピの体は頭の方がお尻の方よりもやや高く、舌も長くよく動くため、高い所にある木の葉などを食べるのにも適しています。
メスは交尾の後オスから離れて再び単独行動をするので、父と子は一緒に生活しません。妊娠期間はなんと14~15か月とたいへん長く、次の妊娠までは少なくとも2年程度の間隔が必要です。
象のように群れて行動をするワケではなく、単独または母子のみ生活します。

上野動物園のオカピ

西園の池之端門近く、キリンの隣にいます。
国内では「よこはま動物園ズーラシア」がオカピの繁殖に成功しており、ブリーディングローン(繁殖目的の動物の貸借契約)によって2008年に上野動物園のカセンイ(メス)をズーラシアに移し繁殖を試みたこともありましたが、カップルを作れないまま2012年に帰園しています。
現在上野動物園では「カセンイ」と「キンビア(メス)」の2頭が生活しています。
耳に切れ目があるかどうかで見分けることができます。
素人目にはどうしても馬のように見えてしまいますが、よく見ると頭の形、体つき、歩き方や口の動かし方までまさしくキリンです。
隣り合って展示されているキリンや、近くにいるシマウマと比較してみましょう。

【補足】「IUCN レッドリスト」

絶滅危惧種の生き物を指して「レッドリスト入りしている」と表現することがあります。
日本に生息する絶滅危惧種の生物については環境省がリストを作成していますが、世界的なものとしては、「IUCN(国際自然保護連合)」のレッドリストが有名です。

このIUCNレッドリストは、現在および未来においてその種の生き物が存在・存続している見込みを段階的に示したもので、絶滅が危惧される生物が8つの「絶滅危惧カテゴリ」に分類されています。
これによると、「ジャイアントパンダは”危急”」「コビトカバとオカピは”絶滅危惧”」となっています。
ジャイアントパンダは生息数こそ少ないものの、生息地のほとんどが保護区に指定され、数も増加傾向にあるため、2016年に「絶滅危惧」から「危急」に変更されました。

絶滅危惧種の保護にあたっては、密猟、開発による生息地の分断や減少、気候の変化など様々な問題がありますが、人間の都合で絶滅に追いやられる動物がこれ以上出ないことを願いたいですね。

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