浅草寺「伝法院庭園(2024年度の庭園特別公開)」【国指定名勝・重要文化財】

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浅草寺「伝法院庭園(庭園特別公開)」【国指定名勝・重要文化財】

浅草寺・伝法院庭園

創建年

  • 不明
  • 推定:1624年~1644年(寛永年間)
面積

  • 3,702坪(12,216.6m)
  • 総面積:7,748坪(25,568.4m2
名勝指定年月日

  • 2011年(平成23年)9月21日
重要文化財指定年月日

  • 2015年(平成27年)7月8日(庭園建造物6棟)
作者

  • 小堀遠州(小堀政一/作庭家)

浅草寺・伝法院庭園の読み方

伝法院庭園は「でんぼういん ていえん」と読みます。

その名の通り、浅草寺境内の塔頭・伝法院の庭園になります。

以下ではこの浅草寺伝法院庭園の一般公開の日程(期間)や入園料金、入園可能時間と併せて混雑状況についてもご紹介しています。

浅草寺・伝法院に関しての詳細は下記ページをご参照ください。

浅草・名勝「伝法院庭園」の歴史・由来・作者

伝法院庭園

浅草寺の「伝法院」は、浅草寺の本坊にあたります。

この伝法院の庭園は、2011(平成23)年に国の名勝に指定されています。

国指定の名勝とは、日本の文化財保護法に基づいて、認可登録を得た名勝のことを指し示します。

なお、この庭を造った作者は小堀政一、通称「小堀遠州(こぼり えんしゅう)」です。

小堀政一は、江戸初期の大名(初代・近江小室藩主)として、はたまた茶人としての側面を持つ人物であり、1624年~1644年(寛永年間/江戸時代)に本庭園を築庭したと伝えられています。

庭園の周りは背の高い樹木で囲まれて、庭の中央にある池の周りは、キレイに手入れされた芝と松が青々と茂っています。

池にもその木々たちの色が映り込みます。

浅草の町から、庭園へ一歩足を踏み入れると、そこは別世界。

雷門や仲見世の賑やかさが嘘のように感じられます。

手前には五重塔がそびえ立ち、庭園の景観をいっそう魅力的に引き立てますが、その向こうにはスカイツリーが見えます。

庭園の景観という部分に関しては、現代世界を象徴するようなスカイツリーと寺院の庭園というコントラスト的にはあまり良い見栄えとはいえませんが、それでもこの庭園に訪れれば都会の喧騒を拭い去ることでき、心の芯から癒されます。

築庭した小堀遠州も、スカイツリーのような鉄塔がそびえ立つぐらい東京の開発が進むとは思っていなかったと想像できます。

池では水鳥が羽を休め、緑豊かな大自然に囲まれたこの庭園を見ていると、遠州の偉業を称えずにはいられません。




浅草寺・伝法院庭園の特別拝観(特別公開)の「日程・拝観時間・料金」

伝法院庭園の特別拝観展

2024年度の庭園公開予定期間

  • 公開未定

※浅草寺へお聞きしたところ、現在、伝法院は2028年まで工事中とのこと。

伝法院庭園公開期間の過去の実績

伝法院庭園の公開は意外に長く、概ね1ヶ月半ほどありますが、公開期間は年度によって異なりますので、以下に一例を示しておきます。

  • 2016年:3月18日(金)から5月9日(月)
  • 2017年:3月10日(金)~5月8日(月)
  • 2018年:3月16日(金)〜5月7日(月)

拝観受付時間は10時~16時(16時30分閉館)でした。

3月になると、浅草寺公式ホームページに伝法院庭園公開のお知らせが出ることがありますので要チェックや💘

浅草寺の公式によれば、今後は秋に公開する想定はあるとのこと。(現段階では春のみ)そうなれば10月〜11月頃の公開予定になるのでしょうか。

伝法院庭園の概要

この伝法院は江戸時代より、時の将軍や天皇家が浅草寺に参拝された際、休息する場所とされており、明治時代までは非公開とされた場所です。

すなわち、一般参拝者が伝法院内部に立ち入ることは叶わなかったわけです。

ところが、2008年(平成20年)、2011年(平成23年)には「秋」に、2014年(平成26年)からは「春」に年1回、内部が特別一般公開され、以降、定期的に伝法院の庭園を一般参拝者が拝観できるようになっています。

以後は毎年、春に一般公開されています。(2019年は庭園内工事のため公開されていません。)

特別公開の正式名称は「大絵馬・寺宝展と庭園拝観」です。

伝法院庭園の入場料金

拝観料金は一律300円。

大人1人につき、中学生以下の子どもは2人まで無料で入れます。

特別公開の収益は東日本大震災の義援金にもなるようです。

伝法院庭園の営業時間(拝観受付時間)

  • 10時~16時(16時30分閉園)

庭園内は順路がある!

伝法院園内では、観覧ルートがあらかじめ定められており、道中には「順路」と書かれた案内板がいくつも立っています。

基本は池の周囲をグルッと1周する格好となりますが、厳密には伝法院庭園の池は北東と南西の2つに分かれており、池と池の間に道があります。

絵馬堂から庭園へ入ってくるとまず、2つの池の間に挟まるこの道を通って大書院へ向かい、北東の池を1周します。

途中には、石段や幅のせまい石橋などがあるので、車いすやベビーカーでの観覧は難しそうです。

浅草寺・伝法院庭園1

公式的な入口は境内・絵馬堂がある方の入口ですが、一般公開期間中は絵馬堂の真逆に位置する「伝法通り」側の入口も解放されます。

⬆️車のドア閉める時に指ハサんで、思わず呼吸止まって「痛い」ではなく、「ア”っ ‥‥」としか発音できない激!痛さほど噂の‥‥「伝法院裏門」




浅草寺・伝法院庭園の見どころ

すでにご紹介した通り、伝法院庭園は「池泉回遊式庭園」になりますので、池の周りをグルッと1周する形式で観覧する庭園になります。

また、池も「心字池(しんじいけ)」「心字ケ池(しんじがいけ)」と呼ばれる池で、これは 「心」の草書体をイメージして人工的に作られた池になります。

入口は五重塔脇にある「絵馬堂」というお堂です。このお堂で拝観受付を済ませて内部へはいります。

ちなみに、この絵馬堂にも名前の通り、浅草寺に代々、受け継がれる「絵馬」が展示されていますので、庭園ばかりに気を取られずにぜひ!浅草寺に伝わる絵馬もご覧になってみてください。

絵馬に関しては浅草寺には約200点近い絵馬が現存し、これらの絵馬の中から例年、異なった絵馬が展示されるようです。

庭園内には石燈篭や、宝塔が配置され、また四季折々の色をみせる広葉樹も多く植えられ、一歩一歩違う景色をみせてくれます。

伝法院庭園の1番の見どころ「しだれ桜」!

この伝法院の1番の見どころとなるのが園内に咲き乱れる「しだれ桜」です。

春の特別公開では、庭園内に上記のしだれ桜を含めた満開の桜を拝観することができます。

※注意点※

・伝法院庭園内の桜は平均的に3月末頃には開花しているようです。

経が島

池の中に浮かぶ「経が島(きょうがしま)」には、一字一石の写経がその土地に埋められているそうです。すなわち”経が島”の”経”はお経の経典に由来するものです。

⬆️経が島

聖域として扱われているため、立ち入り禁止になっています。

なんだか神秘的な気持ちになりますが、それが聖域の入り口だからか、周りの樹木によるマイナスイオンのせいかは、さだかでありません。

大書院の向こうには浅草寺・五重塔と、東京スカイツリーの浅草2大ツリーも見ることもできます。

茶室「天祐庵」【東京都指定有形文化財】

浅草寺 伝法院庭園・天祐庵

創建年

  • 1781年~1789年(天明年間)
再建年(移築)

  • 1958年(昭和33年)
東京都文化財指定年月日

  • 1962年(昭和37年)3月31日
作者

  • 牧野作兵衛

茶室「天祐庵」の読み方

天祐庵は「てんゆうあん」と読み、伝法院庭園内には「天祐庵」と呼称される茶室があります。

この「天祐庵(てんゆうあん)」は、愛知県の茶人・牧野作兵衛(まきのさくひょうえ)が、1781年~1789年(天明年間)に造ったものです。

安土桃山時代に千利休が京都に建てた「茶室不審庵(ふしんあん)」そっくりに造られています。

もとは、名古屋、そして向島の徳川圀順(とくがわ くにゆき)邸、その後は上目黒の津村重舎(つむら じゅうしゃ)邸にありましたが、1958年(昭和33年)、浅草寺婦人会らによって伝法院の庭園に移設されました。

なお、津村重舎とは、現・薬品メーカーの「株式会社ツムラ」の創業者です。

徳川圀順とは、元・日本赤十字社社長であり、水戸黄門さん(徳川光圀)の子孫です。

天祐院の名前の由来

天祐院の名前がついたのは、伝法院に移設されてから付けられたネーミングで「天を祐(たす)ける」という意味合いになるそうです。

なお、天祐院は東京都指定の「有形文化財」に指定されています。

天祐院では、お茶会も開かれるようです。

伝法院の美しい庭園を望みながらお茶を飲むなんて、なんとも趣がありますね。

伝法院境内の石碑たち

伝法院庭園には池やその周囲に自生する木々や草花の他、たくさんの石碑が建てられています。

この石碑を一覧形式でご紹介します。

  • 観音経の碑(1827年/文政10年・奉納)
  • 趣長辞短の句碑
  • 金龍之舞碑(1958年/昭和33年・奉納)
  • 筆塚の碑(1818年/文政元年・奉納)
    書家・中原耕張 作『筆とれば心は中の好の道がきちらしてぞけふも入相』
  • 桜川の句碑(1799年/寛政11年・奉納)
    河東節の作者・俳人岩本乾什の句『十三夜 月もかつ散る 木のまかな』
  • 乾什の句碑(1761年/宝暦11年・奉納)
    『雪解や八十年のつくり物』
  • 幇間塚
  • 経が島の板碑壁
    浅草寺境内から出土した板碑壁
  • 玳瑁の碑
    べっ甲供養奉賛会・奉納
  • 三社船祭再興の碑(1771年/明和8年)
    浅草寺講中が三社神輿船渡御の再興を記念して奉納




伝法院境内の石仏・石像たち

聖観音菩薩像
  • 作者:高橋為三
  • 奉納年:1908年(明治41年)

十六羅漢が台座に彫刻された珍しい観音像。

カルラ神像

カルラ神とはインド神話に登場するビシュヌ神が乗る鳥(金翅鳥/こんじちょう)のこと。
頭が鳥類で身体は人間という。

地蔵菩薩像

浅草寺第5世別当「最純僧正」が奉納

その他に置かれているもの

⬆️石棺

石棺

古墳時代に作られたとされる石棺。地中から発見された。詳細は下記ページより。

至徳の古鐘(1387年/至徳4年・鋳造)

都内最古の梵鐘と伝わる。相模西部(神奈川県)の寺院から移されたもの。

石造多宝塔

1626年(寛永3年)造立の石塔

石造五重塔

1672年(寛文12年)三上源右衛門が息子の一周忌に奉納

灯籠(六角型)

荘園領主(本所)の長谷川正次郎が大正4年に奉納した灯籠。池のほとりに建っているので目立つ。
伝法院庭園の写真に写っていることが多い。

灯籠(四角型)

当庭園の作者・小堀遠州の孫「小堀政延」が造立し、1675年(延宝3年)に奉納。

浅草寺・伝法院庭園「特別公開」の混雑状況

伝法院庭園のオススメの拝観時期は特別公開がはじまってスグです。

開始直後だと、まだ3月と言うこともあり人の数は少なく、したがって混雑層は薄くなります。

ただし、園内には「大島桜」や「しだれ桜」が群生していますが、3月の早期に訪れると満開の桜を目に焼き付けることができないかもしれません。

土日でなければそんなに混雑しておらず、ゆったりと拝観できますし、3月末頃は大書院の手前にある樹齢300年以上の「しだれ桜」が見ごろを迎えています。

旧・大絵馬堂(特別展示館)の混雑状況

ただ、庭園内で開催されている「大絵馬展」は混雑が予想されます。

大絵馬展とは、園内の旧・絵馬堂(特別展示館)で開催されている「絵画の展示会」です。

旧・絵馬堂はスペース的に入場できる人数に制限があり、土日やGWであれば行列・待ち時間は必至となります。

人々が活動を本格化させる午前11時から混雑が始まり、ピークは13時から15時の間です。

ただし、混雑必至のゴールデンウイークでも、朝一番なら比較的空いているようです。

「大絵馬・寺宝展と庭園拝観」のINFO

特別公開期間外に伝法院庭園を観覧する方法

特別公開期間外に、どうしても庭園の一部だけを見て帰りたい言う方もいると思います。

そんな時「鎮護堂」に行ってみましょう。

鎮護堂は伝法院の真隣り立つお堂です。

お堂の奥から少しだけですが小堀遠州作の庭園をのぞき見ることができます。

⬆️鎮護堂から見た伝法院庭園(池がかすかに見える)

浅草寺「伝法院庭園」の場所(地図)

伝法院の庭園は浅草寺五重塔の隣にあります。

伝法院の前には大きな門がありますが、この門は開かずの門ですので、迂回して宝蔵門をクグリ抜けて本堂裏の絵馬堂(五重塔の脇)から入場することになります。

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